また、戦略を構築しただけではその実現には至りません。構築した戦略を効果的に実行できるようなインフラ整備、企業グループにおける「基盤整備」が必要です。
更に、資金の運用方針である”将来に関する仮説”は、その資金の提供者である投資家に対して十分に説明されなければなりません。これが「情報開示」であり、資金調達を行っている以上は企業に必ず生じる説明責任です。
もし、この説明責任を果たさなければ、投資家は資金を引き揚げる、議決権を行使する、更には経営者の交代を要求する、といった形で「企業統治」の権利を行使することになります。
当社は、上記の関係を意識して進められる企業経営を「市場適合的な経営」と呼び、各要素の繋がりを十分念頭に置いた上で、「戦略構築」「基盤整備」「資金調達」「情報開示」「企業統治」の5つの分野で、企業活動のお手伝いを致します。
CFO(最高財務責任者)は、従来の経理担当役員や財務担当役員とは異なります。その役割はより広く、事業を理解し、経営資源配分を管理し、資本市場に向けたフロントとして機能していかなければなりません。上記の概念図にある経営の各側面に最も関係が深いともいえるでしょう。米国においてCFOがCEOの登竜門であるのもこうした事情によります。
但し、こうした役割は、経営全般を統括するCEOが、その意味を十分理解することなくしては成り立ちません。CFOが行う業務は、そのままCEOの経営判断にも直結します。従って、当社ではCFOの業務範囲を広く定義し、CEOの十分な関与と理解のもとに事にあたるべきものとして、「CEO/CFOサポート」の名の下に支援を行っております。
-「営業キャッシュフローに関する事柄」が「戦略構築」、
-「投資キャッシュフローに関する事柄」が「基盤構築」、
-「財務キャッシュフローに関する事柄」が
「資金調達、情報開示、企業統治」、
であるとも言えます。下記及びコンサルティングポリシーをご覧下さい。
こうした「上場企業と資本市場との関係」は、非上場企業には全く関係のないものなのでしょうか。確かに、資本市場における不特定株主からのプレッシャーを受けることはありません。
しかし、非上場企業の場合には、エクィティファイナンスの途が限られているため、負債投資家への依存度が高まります。銀行はもとより、ノンバンク、債権ファンド、社債市場などがその相手方であり、これらのプレイヤーが情報開示を必要とし、負債契約を基にガバナンスを働かせてくることに違いはありません。
例えば、「信用格付け」の向上は非上場企業にとってより切実なテーマですし、そのためには十分なDebt IRが必要となります。また、負債によるガバナンスは、倒産へのトリガーを直接引くことができるという特徴があります。非上場企業における財務戦略はより慎重に考えなければなりません。
当社では、こうした特徴を持つ非上場企業における「資金調達」「情報開示」「企業統治」の課題解決を得意としています。
もうひとつ、非上場企業において切実なテーマは「事業承継」です。これは決して零細個人企業だけの問題ではありません。数年のうちには、上場企業においても大きな経営課題となるでしょう。
当社では、この問題に豊富な知見を持つ弁護士、会計士、税理士等とのネットワークを活かして、御社の状況に応じた解決策をご提案します。
IPO(上場)前後の企業では、上記の5つの課題が短期間に集中して発生します。しかし、これらの課題が持つ繋がりを十分理解して取り組めるリソースは少なく、結果的に大きな困難に直面しがちです。
資本市場対応のノウハウが無い中で忙殺されながら作ったコーポレートストーリーは、確かな戦略に裏打ちされた情報開示とは言えない場合が殆どです。また、企業統治や基盤整備などへの対応も遅れがちです。
上場直後には、その悩みは更に深まります。上場まで手を貸してくれた証券会社などはいっせいに舞台から去り、経営者だけが投資家の只中に取り残されます。孤独な中で投資家の圧力だけが強まっていく、非常に厳しいステージです。
こうした上場前後の課題を解消するのは、当社の得意とするところです。多くの場合は、「情報開示→戦略構築→基盤整備→企業統治」と進んで目指す成果を挙げるケースが多数です。もちろん、個々の企業の状況を十分お伺いして対策を講じます。
-過去実績に関する財務分析(いわゆる従来からの指標分析)
-将来に向けた経営分析(外部事業環境評価、内部経営資源評価など)
-企業価値評価、信用リスク(或いは格付け)評価などの分析結果解釈
例えば従来の銀行融資では、過去の財務分析と担保評価に最も重きが置かれていましたが、これからは、融資先の経営状況を評価し、将来のキャッシュフロー生成能力を分析してそれを格付けやスコアリングにまで落とす、といった分析プロセスが必要です。これは、大手行だけの問題ではなく、リレーションシップバンキングなどに取り組む地方銀行など多くの金融機関にもまさに言えることです。また、証券会社や投資ファンドなどでは、キャッシュフロープロジェクションを作成し、理論株価を算定するのは得意でも、そのプロジェクションの背景に存在する、各企業固有の経営状況、業界特性、市場トレンドなど、「経営の将来」をきちんと論理立てて読み取り、プロジェクションに織り込んでいくといった分析は、あまり行い得ていない場合も多いようです。
更に、株式投資家と負債投資家の、企業を評価する着眼点は、資金の性質が違う以上、様々に異なる点があります。しかし、この両者はお互いの「見る眼」についてはそれほど詳しくありません。例えば株式投資家が格付けの、負債投資家が株価の動きについて、的確に分析できていることは意外に少ないのが実状です。
当社では、こうした企業分析に関わる様々な問題を解決するために、豊富な経験の蓄積を活かして、「アナリストの眼」を提供しています。投融資審査のアウトソーシング、ビジネスデューディリジェンス、クレジットアナリシスや模擬格付けなどのニーズがございましたら、いつでもお問い合わせ下さい。単発のご依頼、年間業務委託などいずれの形式も可能です。
また、信用リスク評価体制の構築についても、当社自身の実績を活かすとともに、高い技術を持つ協力会社(リスク評価会社、システム開発会社等)とのネットワークも駆使し、御社の状況に合わせ解決方法をご提案致します。